より良い組織をめざし、管理職の気づきと信頼関係を育む研修へ

管理部 部長 沢田亮様
管理部 シニアマネージャー 古手泰貴様
管理職一人ひとりがそれぞれの「気づき」を得られる 信頼関係構築を目的とした研修の開発
- 御社では昨年2025年4月から管理職向けのコーチング研修を段階的に行なっています。まずは導入のきっかけから教えてください。
- 沢田
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きっかけは、企業支援やセミナー等を行なっている茨城県の第3セクターである株式会社ひたちなかテクノセンターで開催された講座に当社代表が参加したことです。
当社ではもともと階層ごとに外部のスキルアップ研修や人材研修を行なってきましたが、特に管理職向けのコーチングを主とした研修実施は少ない状況でした。
- 古手
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管理職のステップアップは企業のステップアップと直結しますので、そのための研修は不可欠です。とはいえ、具体的にどのような研修が必要なのか、当社の管理職にとって今、何が課題になっているのか、はっきりとは見えずに悩んでいました。
ちょうどそのような時に、受講した講座の講師を務めていた木下さんからご連絡があり、いろいろ相談をさせていただきました。管理職、特に幹部クラスともなれば、社会人としては完成形に近い。自分で気づき、納得しなければ、講師の言葉でも受け入れ難いのではないだろうか、と考えました。
そこで、木下さんにファシリテーターをお願いし、管理職自身が自分に今、何が必要なのか、何が不足しているのかに気づき、どのような研修が必要かを自分たちで話し合って決めるようなワークショップを最初に行いました。
そして、改めてワークショップの結果を加味した研修内容をご提案いただきました。 - コーチング研修の初回のテーマは、「部下との信頼関係構築」ですね。
- 沢田
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はい。コロナ禍以降、テレワークの導入に働き方改革の推進も相まって、メールやチャットを介したテキストコミュニケーションが主流になり、相対でのコミュニケーションがかなり希薄になってきていると感じますし、同じ意見をもつ企業も沢山いらっしゃいます。
当社はソフトウェアの開発企業ですから、パソコンとネット環境さえあれば、どこででも仕事ができます。コロナ後もガイドラインを設けて、週2回程度のテレワークを推奨しています。
加えて、会社設立40周年を機に社内をリノベーションし、環境もフラットな雰囲気に変わりました。すると、必然的にコミュニケーションの仕方も変わってきます。そうした働き方や環境変化の中では、信頼関係が構築できていないと、コミュニケーションの質に問題が生じ仕事のアウトプットに大きく影響するようになってきます。
信頼関係構築のハウツーやテクニックのようなものはネットにたくさん出ています。
そうしたものを追いかける研修ではなく、本来こうあるべきという経営的視点で、自分たちの課題に気づき、責任を持って解決するという使命感と向き合う研修、気づきを得る研修にしたいと考えていました。コミュニケーションの質を高めるスキルは、その気づきの後に上乗せする感じです。
ロールプレイングを通じて参加者が自身の苦手分野や課題を客観的に認識
- 若手社員向けの研修と管理職向けの研修では、役割が全く違います。管理職向けから始めたということは、研修を企業の未来戦略に活かすという視点から見ると、真っ先に本丸に切り込んだという感じがあります。
- 古手
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そうですね。当社は技術者たちの集まりですから技術的な講習は受けてきましたし、それ以外のヒューマンスキルの部分に関しても同様です。社労士や弁護士、キャリアカウンセラーなど専門家に依頼して、講習を重ねてきました。
しかし数年前、自社プロジェクトを進める過程で、ちょっとした問題が続きました。振り返ると要因はいくつかありますが根本的な要因は、スキル不足ではなく、人間関係ではないか?と判断しました。突き詰めていくとコミュニケーションの質が問題でした。どのような施策を取っていけばいいのか。単なる座学のセミナーでは不十分だと感じました。
- 人は企業の根幹ですので、社員一人ひとりの在り方は企業の在り方に反映されます。自分たちの理想像と会社の理想像をどう沿わせていくのか、そこに今回の研修はマッチングしたのでしょうか。
- 沢田
- 当社も企業としてのMVVは明文化されています。自分たちの理想像と擦り合わせができたという点においても、マッチングしていたと思います。
- 続いて、今回の研修で良かった点を具体的に教えてください。
- 古手
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4月から7月まで3回の研修、7月から12月まで職場にて実践、12月に成果発表会を行いました。学んで、実践して、振り返り、そこから学んで、また実践するというサイクルが根づくことを期待しています。
研修内容ではロールプレイングがとくに良かったと思います。
年末の成果発表会の際には、参加者から、「誰某さんがロープレで言っていたことが良かった」とか、「誰某さんがロープレでやっていたことがとても参考になったので実践したいが、なかなか難しい」などの声が届いてきています。管理職は自分で決めて、部下を引っ張っていく立場です。他者を見習う機会は少ないでしょう。しかし、今回の研修で他の人が取り組む姿を見て、視野が広がったり、客観的に自分を評価したりすることができたのではないでしょうか。
講師から教わるだけではなく、他の社員からも教わることができたことは非常に大きいですね。知ることができ、気づくこともできて、試すこともできた。後は実践を繰り返すのみです。
- 沢田
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カギとなるのは、やはり信頼関係の構築です。
信頼関係を構築するには、日常的に小さなやりとりの積み重ねによるものが大きいので、時間がかかると思います。「信頼される」とはどういうことか。「仕事はできるし尊敬もしているし話もする、ただ悩みを相談するほどの信用や信頼となると・・」という話を耳にします。当社のミッションにもありますが、「人間力」とはそういうところではないでしょうか。仕事のスキルだけではなく、最後まで話を聴いてくれる、共感し理解してくれる、承認してくれるとか、人によって求めるものは様々ですが、相手と向き合い、変化に気づいてアプローチを変えられるようにならないといけない。 - 古手
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今は人が少ない時代です。気の合う人とだけ組めばいいというやり方では、仕事が立ち行きません。
難しくて仕事が滞っているのでなく、別な理由が背後にある場合、例えば「最近、生産性下がっているみたいだけど、どうしたの?」と聞いた時に、「実は家族でこんな問題があって…」と打ち明けてもらえる信頼関係が築けていれば、「ならば、こうしようよ」と解決策を提示でき、仕事の課題も解消できるわけです。
- 沢田
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管理職に必要な資質の中で自分に不足している部分に気づき、それと向き合って越えていける、その成長に喜びを感じられるマインドが育つ研修を作れればと思います。
また、信頼関係を作るには「変化」もキーワードになります。
これは当社代表もよく話をする事で受け売りになりますが、これまで信頼関係を築けていないのだとしたら、相手の変化に頼らず自分が変わるしかありません。
研修を通して、参加者自身が「変わらなければいけないんだ」と気づけたと期待しています。 - 古手
- もちろん、遵法や信念など変えてはいけないものもありますが、まわりが変わってきているのだったら、ある程度それにアジャストしないといけません。何を変えて、何を変えないか、それを一人ひとりが自分や会社の価値観と向き合って決めていく、そのための研修になると良いと思っています。ブレない軸があるからこそ周囲の変化を受け入れ、柔軟に対応することができるようになります。
問題が顕在化する前に予兆を察知し、先手を打つスピードを
- 最後に、研修の導入を考えている企業に向けてアドバイスをお願いします。
- 沢田
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まずは課題解決のヒントを探しに、セミナーを受講するなど行動することだと思います。当社はそこがスタートでした。
研修を受けなくても、話を聞いてもらうだけでもいいと思います。
木下さんに相談してみると、引き出しがいっぱいあるので、いろんなセミナーやカリキュラムを考え出してくれると思います。 - 古手
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そして、スピードです。
たとえば若い社員が相談に来るときには、すでに手遅れになっているケースもあると思います。
今は世代間の精神的な隔たりも大きい時代なので、悩みを一人で抱えてしまうパターンも多いのでしょう。問題が起こる前に、課題を顕在化し対応しておく。
「実は」と相談がくる前に「もしかしたらここが課題かも知れない」と思った時点ですぐ行動。そこがポイントだと思います。 - ありがとうございました。



